本部コラム

2026.07.14

デイサービス

デイサービスについて②~歴史~

今回は「デイサービスについて」~その②~としてデイサービスの歴史について解説をしたいと思います。

是非一読くださいませ。

 

■デイサービスはどのように生まれたのか——その歩みをたどる

高齢の家族が日中だけ施設に通い、入浴や食事、リハビリなどのサポートを受けて夕方には自宅に戻る。今では当たり前の光景となった「デイサービス」ですが、この仕組みが今のかたちになるまでには、およそ半世紀にわたる制度の変遷がありました。

 

■ 東京都の独自事業から始まった

デイサービスのルーツは、国の制度ではなく一つの自治体の取り組みにありました。1974年、東京都が全国に先駆けて高齢者向けの通所支援を補助事業として立ち上げたのが最初とされています。当時はまだ全国共通のルールがあったわけではなく、あくまで東京都独自の施策としてスタートしました。

 

しかし、高齢化が進む中でこうした通所型のサポートへのニーズは全国的に高まっていきます。一つの自治体の実践が、やがて国全体の制度づくりへとつながっていくことになります。

 

■ 1979年、国の制度としての「デイサービス」誕生

東京都の取り組みから5年後の1979年、老人福祉法にもとづいて、国としての「デイサービス」制度が正式にスタートします。これにより、東京都だけでなく全国の自治体で日帰り型の介護サービスが展開できるようになりました。

この時点でのデイサービスは、特別養護老人ホームや訪問介護(ホームヘルプサービス)と並んで、「老人福祉」という枠組みに位置づけられていました。老人福祉のサービスは市町村が運営や委託運営を行う仕組みが基本で、ご利用者が事業者を自由に選べないことや、所得に応じて利用者負担が変わる仕組みであったことなど、いくつかの課題も抱えていました。

 

■ 1980年代——もう一つの通所サービス「デイケア」の登場

1980年には老人保健法が制定され、1987年の改正で老人保健施設が新たに設けられます。この流れの中で、老人福祉とは別に「老人医療」という枠組みが整備され、老人保健施設や療養型病床、訪問看護に加えて「デイケア」と呼ばれる通所リハビリサービスが生まれました。

つまりこの時期、似たような日帰り通所のサービスでありながら、「老人福祉」に属する【デイサービス】と、「老人医療」に属する【デイケア】という2つの制度が並行して存在することになったのです。デイサービスが入浴・食事・レクリエーションなど生活支援に重きを置くのに対し、デイケアは医療的なリハビリテーションを主目的とする、という違いがありました。

また、この時代には、市町村レベルでの在宅福祉対策の緊急整備も進められました。特別養護老人ホームや老人保健施設、デイサービス、ショートステイ、ケアハウスといった施設の整備が急がれる一方、ホームヘルパーの養成、寝たきり予防、地域でのリハビリ実施といった在宅支援の体制づくりも同時に進んでいきました。

 

■2000年、介護保険制度による統合

長年別々の制度として運営されてきた老人福祉と老人医療は、それぞれに使いにくさを抱えていました。ご利用者がサービスを自由に選べない、所得調査への心理的な抵抗感がある、地域によってサービス内容が画一的になりがちである——こうした課題を解消すべく、2000年に介護保険制度が施行されます。

この制度改革により、デイサービスは「通所介護」という名称で介護保険法の中に正式に組み込まれました。現在の介護保険法では、居宅で生活する要介護者が老人デイサービスセンターなどに通い、入浴・排せつ・食事といった日常生活上の介護や機能訓練を受けるサービスとして定義されています。老人福祉とデイケアに分かれていた通所サービスも、介護保険制度のもとで整理され、現在では「デイサービス」と「デイケア」が居宅サービスの通所系という共通の括りで並んで存在する形になっています。

 

■今のデイサービス

介護保険制度の枠組みが定着した現在、地域密着型も含めたデイサービス事業所は全国に約42,600〜43,700事業所程度(令和6年10月時点)存在し、一番多い介護サービスとなっています。日中の生活支援やリハビリの場としてだけでなく、高齢者が外出し人と交流する機会を作り、孤立感の解消にもつながる存在として、またご家族の介護負担を軽減する重要な社会資源として、その役割は広がり続けています。

一つの自治体の小さな補助事業から始まったデイサービスが、半世紀を経て全国42,000か所を超える社会インフラへと成長した背景には、高齢化社会という時代の要請と、それに応えようとする制度改革の積み重ねがあったと言えるでしょう。

 

■最後に

弊社チェーンのデイサービス事業所も長く地域に愛され、多くの方々に支えられながら今日まで歩んでまいりました。今後も地域の皆様との絆を何よりも大切にし、世代を超えて頼っていただける、地域に根ざした事業所であり続けたいと考えております。

 

【執筆】

株式会社CareNation開発部

※執筆には一部AIアプリを活用しています。

出典:厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service24/dl/gaikyo.pdf